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ソラスズメダイの詳細

ソラスズメダイ

2008年8月27日 13:31更新
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カテゴリ
科名 スズメダイ科
全長 全長3〜7cm
目撃地 千葉・新潟以南・西太平洋の温海に生息。伊豆全域の浅瀬の岩場などでよく見る事ができます。

漢字で書くと ”空雀鯛” 
外見にピッタリのかわいい名前ですね!
P8150018.JPG

『この青くてきれいな魚は何ですか?』

ダイビングを始めた時、そうやってインストラクターに聞いた人も
多いと思います。
伊豆でよく見かける一般種なので、本数を重ねたダイバーには、
なかなか注目を浴びる事ありません。
でも、私たちがよく潜る伊豆の海を華やかにしてくれていますね。
この子がいると伊豆の海も南国気分なのです♪


『体色変化の瞬間を見よう!』

青くて小さくてキラキラかわいいソラスズメダイ。
でも、黒っぽくなっている固体を見た事がある人もいるはず!

そうです、ソラスズメダイは環境や水温などによって体の色を
変化させるのです。
水温が高い7月〜8月はソラスズメダイの体色がもっとも美しく
輝く季節でメタリックブルーが浅瀬でキラキラと輝きます。

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しかし、、、、


巣穴にいるときのソラスズメダイはビックリするくらい
黒っぽい色をしているのです。
そして、巣穴から出てきた瞬間に鮮やかなブルーに変わります。
DSC02630.JPG
変化する瞬間はとってもゴージャスで見とれてしまいますよー。
色が変化する瞬間を是非、見てみてください!
もっとも鮮やかな色をしている夏場が(特に1.5cmほどに成長した幼魚)
体色変化の見時です!

水温が下がてっいき、成長するにつれて黒ずんでいくソラスズメダイ。
生まれた時の鮮やかなブルーは徐々に黒ずんできます。

冬場は数も減り、黒っぽいソラスズメダイ・・・・
ちょっと切ない感じがします。。。。

危険を感じた時などにも黒褐色になるといわれています。
危険が去ったと思うと色が戻るので、危険を感じて黒っぽくなった
ソラスズメダイを見つけた時はジッと観察してみてください!
もしかしたらあっという間に綺麗なブルーに戻る瞬間を見る事が
出来きるかもしれません♪

『オスとメスの見分け方』

オスのほうが少し大きい感じですが、なかなか見分ける事は難しいです。
でも、産卵期(5月〜9月)になると、オスが少し黒っぽい色になるので見分けがしやすくなります。


『ソラスズメダイの赤ちゃんは南の海から流れ着く・・・・』

ソラスズメダイの赤ちゃんは尾ビレが黄色くてとても可愛いです。
(中には幼魚なのに既に全身青くなっている固体もいますが)
成長と共に全身が青色になります。
伊豆に住み着いているソラスズメダイもいますが
産卵期になると南の島で生まれた赤ちゃん達が伊豆の海にも流れ着いてきます。
ソラスズメダイは死滅回遊魚でもある熱帯魚なのでした。

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『ソラスズメダイの攻撃』

産卵期の5月〜9月は岩の下や浅瀬の岩の隙間にメスが卵をうみつけ、
オスが一人で卵を守ります。
(メスは卵を産んだら自分の縄張りのところへ戻ってしまいます)
スズメダイ科のお魚は縄張り意識が大変強いので、産卵期ともなれば
小さなソラスズメダイでも卵を守っているオスに近づくと・・・・
どんな大きな相手にも威嚇&攻撃します。
もちろんダイバーにも。。。。

(私は初め、、ソラスズメダイが私の事を好きだから寄ってくるのかと
思っていましたた・・・・目の前まできたりするので。。。。
でもそれは近づくな!って威嚇していたのですね(>_<)ゴメンヨー)


『自分で卵を食べちゃう!』

オスは一人で卵を守ります。命を懸けてどんな大きな敵が現れたとしても
臆することなく攻撃し、追い払います。
でも、そんなオスが自分の守っている卵を食べてしまう時があるのです。

いったいどんな時に卵を食べてしまうのでしょうか?
調べてみると理由が2つありましたのでご紹介します。

ひとつめ、
台風などで卵が産み付けられた岩がひっくり返ってしまい
自分では卵を守りきれないと判断した時。
他の魚に食べられるくらいならば自分で食べた方がよいと
思ったのでしょうか?
そんな時ソラスズメダイのオスは自分で食べるという道を選びます。

ふたつめ、
あまりにも空腹な時です。
ずーっと卵を守っている為、オスはまともな食事ができません。
ですので、餓死寸前になったソラスズメダイのオスは
守っている卵を少し食べてしまうのです。
自分が死んで卵が全滅するより、少し減らしてでも卵を守る為に
生きていなくてはならない!ということなのでしょう。
泣けてきます(T_T)。。。。


『似ているお魚』

ソラソズメダイと似ているお魚で”ルリスズメダイ”というお魚がいます。
同じスズメダイ科の魚で形も良く似ていますが、ソラスズメダイよりも
小さめで(5cm位まで大きくなります)青色が濃いです。
よーく見ると目のところに黒い横線があるのも特徴です。
たまにソラスズメダイの群れに混じってルリスズメダイが一匹だけ
いたりもします。
ルリスズメダイの幼魚はソラスズメダイと違って
尾が黄色くありません。
全体的にブルーなので目分けやすいですね!

ソラスズメダイは伊豆でも一年を通してみる事ができる魚なのでじっくりと観察しましょー!


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ソラスズメダイは幼魚、成魚共によく体色を変化さます。
鮮やかに光るブルーや、紺色に近いダークブルー、そして黒に近い褐色、
同じ固体でこの3色を使い分けるのですが、
上記で紹介したように
警戒色とか婚姻食などといわれている体色の変化は・・・・
実際のところどんな時に変化させるのか、
はっきりとした理由が分かっていないようです。
ここでは一般的に語られている”説”を取り上げてご紹介させていただきました。
水温や成長、色々な事から変化していく体色。
固体によっても様々です。
是非、ダイバーの皆様の目で観察してソラスズメダイの生態を探っていきましょう!!
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written by あきか

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