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ガンガゼの詳細

ガンガゼ

2008年10月24日 19:50更新
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カテゴリ
科名 ガンガゼ科
全長 殻径5〜9cm 棘径30〜40cm
目撃地 千葉県以南の太平洋岸、インド洋の一般種です。15mより浅瀬の岩陰や、さんご礁域に広く生息しています。

P9188787.JPG

漢字で書くと『岩陰子』

岩の影にいる子供か。ナルホドネ〜。

私はガンガゼを見ると”マックロクロスケ”を思い出します。
マックロクロスケ出ておいで〜♪♪♪(^|0|^) オーイ!!

『ガンガゼの特徴』
特徴はなんと言っても、あの超なが〜い棘です。

殻の直径が5cm位大きくても9cm位なのに対して棘の長さは大きいもので
40cmにもなります!超長いですねw(゚o゚*)wオゥ!

それと、真ん中に丸くぽっこりとした、オレンジ色(中心がオレンジで
飛び出ている袋状のものがムラサキとか青色とかに見えます)
の肛門があります。

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その肛門を囲むように5つの青い点があります。
これは生殖孔(せいしょくこう)で、ここから産卵や放精をします。

okusyon 029.jpg


さらにその外側に5つの白い点があります。
これは眼点で、光を感じる部分です。
自分の体の上に陰を感じると、敵が来たと察知して激しく
とっても激しく棘を振り回しまくります!ι(`ロ´)ノオラオラォラ!!

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『ガンガゼって食べられる?』
食べられます!
九州地方を中心に、一部の地域では一般的にガンガゼを食用と
しているところもあるそうです。おすし屋さんでもガンガゼを使った
寿司をだしたり、地域で特産品として販売されてたりもするガンガゼ、、、、
はたして、味は。。。

普通のウニと変わらないとか、、、、生臭いとか、、、、
意見は様々なのですが、棘が長くて食用として販売するには手間が
かかるので、そこまでして食べるほど美味ではない。
というのが、日本全体に食用として流通していない理由だと思います。
(私の個人的な意見です)

ガンガゼは藻類を食べます。
ガンガゼを食用としている地域では、ガンガゼの大量発生による”磯焼け”
(周辺の海藻を食べつくしてしまって藻類がなくなってしまう被害)に
困って、なんとかガンガゼを有効活用しようという働きから食用として
流通させているという背景もあるようです。


『ガンガゼは何故あんなに密集しているの?』
DSCN9785.JPG
ガンガゼは光が苦手です。
岩陰や穴などの暗い方向に進んでいく習性があります。
だから他のガンガゼを見つけるとそれは穴なのかと思って(黒いから)
近づく、、、という繰り返しがあり、群れていく・・・・とか
お互いに寄り合って、棘を交差させて外敵にひっくり返されないように
する為だともいわれています。
(外敵はガンガゼをひっくり返してから食べるのです)

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先日実験してみました。
密集しているガンガゼの中の1つを引き離して、少し離して(30cm位)
置いてみました。

そしたら驚きの速さで移動し、すぐにまた群れに合体したのでしたw(0o0)w
その素早い動きをみた時、ガンガゼも生きてるんだぁぁ(*'O'*)ワァァ
っと、あたりまえの事なのですが、実感しました。
ガンガゼの移動速度はウニの中でもとっても速いのです!
※今回のガンガゼ図鑑の為にちょっとだけ、やさしーく触りました。
 ゴメンナサイm(_ _)mダイバーたるもの、ナチュラリストたるもの!
 無意味に水中生物を触ったり、動かしたり、いじめたりは致しません!


『刺されたらどうなる?』
痛いです(>_<)チクチクとピリピリとずーっと痛みます。
深さによっては激痛を伴います。。。。
棘には毒があるので、炎症を起こし、痛みが長引きます。

ガンガゼの棘は先が細くなっており、すんなりと身体に入っていきます。
厚手のスーツやブーツも簡単に穴が開いてしまうくらいです。
さらに厄介なのが、棘がもろくすぐにポキポキ折れてしまう事。
身体に入った棘を抜こうとしてもすぐ折れるので抜けません。
抜けなかった棘は身体に残ったままになりますが、1ヶ月くらいすると自然となくなっています。(経験者談)

<刺されたときの応急処置>
棘が刺さっている場合はなるべく抜いて(素手でやらない!)
傷口をキレイに洗って消毒し、火傷をしない程度のお湯つけると
痛みが和らぐようです。
深い刺し傷や痛みが長引いている場合は病院へ行きましょう。


『オスとメスの見分け方』
ガンガゼにもきちんとオスとメスがいます。
でも、ガンガゼに限らずウニは外見でオスとメスを区別するのは相当
難しい、というか無理だそうです。
生殖器系にオスとメスとで、若干の違いがあるかもしれない、、、、、
という”可能性”があるそうですが、現時点ではハッキリとオスとメスの
外見の違いは確認できていません。
じゃぁ、オスかメスか知りたい人はどうするの??
中をあけてみるしかないのでしょうか?(゚ペ)?

いいえ!そんなことはありません!!!
あなたにも!私にも!ダイバーであれば誰にでも!
ガンガゼを”パカっ”と開くことなく、オスとメスを見分ける事ができる
瞬間があるのです!!!!

それは・・・・・
そう!『産卵』の瞬間です。産卵&放精の瞬間を見ることが
できれば、確実にガンガゼの性別を特定できます。
卵を産むのがメスで、精子を出すのがオスなのですから・・・・。

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放精中のガンガゼのオスです!!!


『ガンガゼの放精&放卵』
ガンガゼは7月〜10月に産卵期を迎えます。
産卵期の満月の日に放精&放卵が行われると言われています。

オスは生殖孔(5つの青い点)から精子を出します。
精子は白くて乳製品みたいに、モヤモヤしています。

メスも同じく生殖孔から産卵をします。
卵は白くて細い麺のような感じでどんどんドンドン出てきます!

私も実際に見たことはないのですが、是非一度は見てみたい!
と思っています!!(-人-;) 見れますように。。。オイノリ。


『ガンガゼの役割』
ガンガゼって怖い・・・・刺されそうでヤダー!!!!
いったいなんの為にあるの!ヽ(`Д´)ノキライー!!!

でも、ガンガゼもちゃんと海での役割があります。
ガンガゼは小さなお魚やエビなどの隠れ家になっています。
ガンガゼの周りに漂っているお魚やエビ、幼魚などは
危険を感じるとガンガゼの毒針の林の中へ・・・・
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{写真のニシキフウライウオはよくガンガゼの棘の中に隠れています}

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私達にとって危険なガンガゼの棘は小魚にとって安全地帯と
なっています。ウニと魚の共生ですね!

ガンガゼと共生している生物の中に”ガンガゼカクレエビ”という
小さなエビがいます。伊豆でも水温の高い時期に、よく見ることが
できるのですがよーく見ないと分かりません。

ガンガゼカクレエビはまるでガンガゼの棘のように見えるのです。
ガンガゼの棘に棲んで、ガンガゼの棘を食べて、さらにガンガゼの
棘に産卵する。。。。死滅回遊エビなのでした。。。。

ということで、水中生物の棲みかとして、ガンガゼはすっごく重要な
のです!!!ガンガゼがいないと生きていないお魚やエビが
たっくさんいる事がわかりました♪


『ガンガゼを好んで食べる魚』
イシダイや、ブダイ、モンガラカワハギ類がガンガゼを好んで食べます。
matsuzo2124.jpg
{イシダイ}


棘をくわえてひっくり返して、なるべく棘のないところからバリバリ
食べます。ガンガゼの棘は地面に付いている方は短いのです。
(ちなみにガンガゼの口は地面についている棘が短い面にあります。)
ガンガゼの殻は薄くてすぐに壊れます。
ですのでひっくり返して、棘が短い方からカプってやれば簡単に
食べる事ができます。

基本的に岩の間や穴にいるガンガゼ。
ながーーい棘だけが岩の外に出ている事があります。
そんな時はイシダイが棘を引っ張って出そうとしても、ガンガゼの
棘はすぐにポキポキ折れるので引っ張り出す事ができません。
外敵から身を守る為にガンガゼの棘が折れやすくなっているんですね!


『イシダイ釣りに良く使われる!』
イシダイ釣りの餌としてウニは主流となっています。
色々なウニが使われますが、その中でもガンガゼは人気が高く、
ごく一般的に使われている餌だそうです。よく釣れるのかなぁぁ〜!?


『餌としてのガンガゼはいったいお幾ら?』
1個¥85
1kg¥3000
※時期にもよって異なります。


『似てるウニ』
似ているウニにアオスジガンガゼというウニがいます。
ガンガゼとアオスジガンガゼはとってもよくにている近縁種です。
唯一識別できるポイントとしては肛門をよーく見ることです。

肛門の先端部がオレンジ色なのがガンガゼで、黒っぽいのが
オアスジガンガゼということで判別することが出来ます。

DSCN9568.JPG
アオスジガンガゼ

DSCN9017.JPG
ガンガゼ


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今度、ガンガゼに近づいて、もっと近づいて、よーーーく
ガンガゼを見てみてください!

それから、ガンガゼに身をひそめている生物探しも面白いですよ〜!
もちろんの事ですが、ガンガゼの棘を壊さないように
(自分も刺されないように!)気をつけて下さい。
DSCN9736.JPG

written by あきか

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