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マトウダイの詳細

マトウダイ

2009年3月11日 20:50更新
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科名 マトウダイ科
全長 30〜50cm
目撃地 日本だと主に本州中部以南に生息。冬の安良里、真鶴などでよく見れます。インド様、太平洋域、大西洋の水深100〜200mに住んでいます。温帯域では浅瀬から深海400mに生息!


マトウダイと言えば『冬』ですね!
そして『モヒカン』&シンボルマークの『斑点』
一度見たら忘れはしない!特徴的なお魚です。
P3150031.JPG
マトウダイを初めて見たときは痺れました。
写真では見たことがあっても実際に水中で見た時はすごい興奮でした。
そう。。。『マトウダイ』は圧倒的に私の心を躍らせた魚なのです。


漢字で書くと”的鯛”または”馬頭鯛”

体の斑点が的のようだから的鯛。( ´-_ゝ-)ウンウン。

頭が馬のようだから馬頭鯛。。。。。とも言われていますが、
どこが馬みたいなんんだろう。。。。私には馬には見えません(*゜-゜)?
っと思っていたのですが、口を伸ばした時の顔がちょっと馬っぽいです。

【学名】
学名:Zeus faber ゼウス ファベル
    Target dory ターゲットドーリィ(dory=マトウダイ科の総称)
    John doryジョンドーリィ(John = やつ、男)
仏名: フランスでは Saint Pierre (サン・ピエール)と呼ばれています。


【特徴】
♪背ビレ
背ビレがとっても長くてまさに”モヒカン”!

↓個人的ににモヒカンといって浮かぶのは
◎北斗の拳の悪役の人
◎ブル中野
◎マトウダイ

ということでやっぱりモヒカンは悪役な感じがしますね(-゛-メ)

♪ボディ
体は薄く、色は銀灰色ですが黄色っぽい感じにも見えたりします。


♪マーク
体の中央にある大きな黒い円の斑紋。この斑紋は白く縁取られています。

PB130335.jpg


♪くち
口を大きく突き出して開くことがきます。
これが凄いのです!
口を引っ張り出すと胴体部分とほぼ同じくらい伸びます。
自分の体の長さと同じくらいのアジも丸呑みが出来てしまう!!!
(吸い込んで獲物を丸呑みする為か、大きな歯はありません)

P3170154.JPG

【深海魚?!】
マトウダイは普段水深100m〜400mの深いところで生活をしています。
じゃぁマトウダイは深海魚なのでしょうか???

一般的に深海とは水深200m以上深いところを指すようですが
綿密には決まってないそうです。

水深200mより深いところで生活する魚を深海魚というので
マトウダイは”深海魚”といってよいと思います。

余談ですが・・・・
深海魚って言葉を聞くと、私はとってもドキドキ(*゜-゜)します。
ロマンを感じます。

光が全く届かない超深世界・・・・
そこに住む生物はとっても刺激的な姿をしています。
まるで宇宙の生物です。

P5050084.JPG


【深海300mの世界】
マトウダイが普段生活している深海はいったいどんな感じなんだろう?
そう思いまして深海のことを調べてみました。


◇水温
日本周辺の深海の温度は季節などにもよりますが、1〜5℃位です。
冷たいですね(>_<)!
そして、1000m以深の水温は2〜3℃前後となって一定のようです。

◇水圧
水深300mの水圧は単純に計算をして31気圧。
私達がダイビングしている水深の気圧の10倍くらいあります。

深海に住む生物は体内の圧力が周囲と同じになっているので
水圧に押しつぶされる事はありませんが、短い時間で水面に
引き上げられると体内のガスが膨張してしまします。

釣りや漁で引き上げられたお魚の胃袋が口から出てしまったのを
見たことがある人もいると思います!


◇太陽の光
水深何メートルまで太陽の光は届くのでしょうか???

天気や海の透明度にもよりますが、水深100mまで届く光は
私達がいつもダイビングする時に感じている光の量の100分の1程度です。

200mまで行くと人間の目では全く色を確認する事ができません。
全て灰色で暗く、すぐ近くにある物体の物陰が微かに見える
程度かもしれません。
それ以上深くなると、人間の目では何も見えなくなります。
全く何も見えない闇の世界になります。


深海は高い水圧と、低い水温、そして光が届かない闇の世界です。
過酷な環境です。光合成はできません。

深海で生活している生物は、環境に適応する為に、
独特な進化をしています。
ビックリするような外見をもったものが多くて
光ることが出来たり、驚くほど目が大きかったり、口が超でかかったり
ちょっとゾッとする生物もいます。

P3220164.JPG
【マトウダイが見れるシーズン】
普段は深いところで生活しているので、私達ダイバーは見ることが
できないのですが、冬から春にかけてマトウダイは産卵の為に
浅場に上がってきます。
それが、マトウダイを見るチャンスです(*^ー^)
伊豆だと、1月〜6月にかけてマトウダイウォッチングのシーズンです。


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【オスとメスの見分け方】
あのモヒカンに何か見分けるヒントがあるんじゃないかな?
と思って調べてみたのですが、
残念ながら、外見で見分ける事はできないそうです。
解剖して生殖器を見ないと分からないそうです。。。。。

オスとメスを見分けたい私としてはとても残念なのですが、、、、

妊娠中のメスのお腹がふっくらとしていたり、オスとメスとでの
特徴的な行動などが分かれば
マトウダイの行動で見分ける事も可能かなぁぁっと思っています。
今のところ、、、、、なかなかマトウダイの情報が少なくて
わからない事ばっかりです(´Д`) =3

分かったらまた更新します♪
P3220163.JPG

【性別と比率】
マトウダイの大人(25cm以上)はメスが70%と
大半を占めています。
体長が30cm以上の大きなマトウダイは、
更にメスである比率が高くなり90%だそうです。
この計算でいくと、40cm以上の大型マトウダイは殆どが
メスなのでしょう。。。。きっと。

マトウダイはオスよりメスのほうが大きいみたいですね。

さらにさらに、マトウダイの成長には大変時間がかかります。
オスは10年で35cm位まで大きくなります。
メスは10年で41cm位までなります。メスの方が成長が早いのですね!

P3170153.JPG


【サン・ピエール?!】
フランスではマトウダイのことを”サン・ピエール”と呼んでおり
一般的な食用魚として親しまれています。

サン・ピエールって人の名前っぽいけど
いったい誰だろう、、、、、
全然知らない・・・・・
調べてみました(o._.)o ・・

イエス・キリストの使徒ペトロのことでした。

マトウダイのフランス名には、聖書に出てくる物語が由来しているようなので
その物語を簡単にお話します。
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昔々イエスキリストと言う人がいました。
イエスは税を納めなくてはいけないのですが、お金がありません。。。。。

イエスは弟子のペトロにいいました。

『海で釣りをしてきなさい、最初に釣れた魚の口から銀貨が出てくるから!』

そしてペトロは言われたとおりに釣りをしてマトウダイを釣り上げました。

マトウダイの口を伸ばして中を覗くと・・・・・
銀貨がザックザックでてきたのです。

その銀貨で税を納めたそうです。。。。。


こんなようなお話が聖書にあるそうです。
そして、ペトロがその魚をつかんだ時に出来たのが
マトウダイの体の中央にある斑点で
それはペトロの指の痕だといわれていいます。

※サンピエール=聖ペテロ。イエス・キリスト十二使徒のリーダーのこと。

他にも色々な説があるようですが、
今回はこの伝説を取り上げてみました(^ー^* )
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【フランス料理に欠かせない】
伝説があるくらいなので、ヨーロッパでは大変親しまれているお魚です。
フランス料理では、高級魚として知られているマトウダイですが
白身で、肝も美味しいとのことですので、日本で言うと
カワハギみたいな感じなのかなぁと思います。
(私は食べたことがありませんが(*゜-゜)・・・)
あと、見た目も体が薄くてカワハギとに似ている
感じもします。

銀座の、あるフレンチレストランではマトウダイのポワレ(ムニエル)が
¥1,200で食べられます。


【貴重な魚】
50年前に比べて、
世界的に”食用として人気の魚の捕獲量”は約4倍になっていると言われています。
私達がよく食べる魚は捕りすぎが原因で生態系が崩れてしまう可能性があります。
色々な魚がいますが、その中でも成長の遅いマトウダイが心配です(;´Д`)。
『マトウダイを絶滅させたくない!』と言う声が多く
マトウダイは世界自然保護基金(WWF)から”捕獲を控えて欲しい魚”
として発表されている貴重なお魚です。

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マトウダイはまだまだ謎のおおいお魚です♪
また何か分かったら更新していきたいと思います(^ー^* )


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written by あきか

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